四度洋食屋 フェリーチェ (Felice)

営業マン飯2022年
ご挨拶

こんにちわ、地下鉄吉野町駅最寄りのカラオケBARキャビーヌの中島です。

 

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こんにちわ。

地下鉄吉野町駅近くのカラオケスナック「ミュージックパブキャビーヌ」店長の中島です。

2周年が近づいている

何の話かと言えばコロナの影響で急遽自分で営業することになった飲食店の話だ。

一般的に飲食店の廃業率は2年以内で50%、3年以内で70%、5年以内で80%と言われている。

特殊な環境だったとはいえ、ひとまず2年以内の生存率50%をクリアすることはできた。

3周年も余程急速にひどくない限りは迎えられると思うので、生存率30%以内には入れるということだ。

やってみると分るけれども、本当によく皆、飲食店を開業しようとなんて思うよなと感じるものな。

一見、目に見えない経費や見通しの立たない売り上げ、人件費、そして人件費に見合う人材の集め方、集客、箱の大きさ、リピート率の向上、認知度アップ、ポップ作成とか考慮しなきゃならない事や、やる事は多数あるし、やったからといってすぐにどうにかなるものではない。

高コストの月々のランニングもそうだけれども。

リピート率の向上は属人性が強く、初来店の僅かなチャンスを物にしてくれるエースが多々いないとすぐに窮するし、地雷のような人がいるだけで急速に出血していく。

まさにすべての綱渡りを完走しないと生き残れないシビアな世界だと思うのだ。

俺は飲食店経営に関しては素人だけれども、最も生存率が高いという業態のスナックでさえ、まともに黒字を出せないのだから居酒屋とかどうやって利益だしているんだろうなと思うものな。

食品ロスとの戦いにもなるし、かといってロスになると分かっていても仕入れないと客対応ができない。

チェーン店のブランドは認知されているので、もうその看板だけである程度は集客できるだろうけれども、立地もそうだけれども、何もしないで普通の個人の居酒屋が認知されるとも思えず、自分だったらとどうやっていくかと考えるととても勝算が立たない。

まあ、当事者であれば与えられた条件で何かしら方法をひねり出そうとはするのだろうけれども。

その方法が当たるかは分からないしな。

だから、飲食店ってリスク的な物を考慮すると、ちょっと利益乗せすぎかなくらいじゃないとまともに黒字でやっていくのは難しいんだよな。

かといって近隣に比べて高すぎても駄目だし、安すぎても駄目。

ただ美容とかでもそうだけれども、経営的には高ければ高いほどいいんだよな、価格は。

納得のできる小人数に対してそれに見合った対価を受け取ればいいのだから。

けれども、俺の飲食店は繁華街の一等地ではないし、突き抜けた富裕層を対象にできるほど俺もサービスに精通しているわけではない。

さらに言えば高級路線の見込み客へのアプローチ方法がないので、近隣の中での良客がついてきてくれるコップに注いだ水の表面張力のようなギリギリの価格帯を狙うしかない。

強みはアットホームな雰囲気とそれを構成するスタッフの人間性の部分だと思っているので、そこに価値を見出せるお客さんがターゲット層になる。

まあ、そんなわけで父の代からずっとやってきた価格を物価高騰も含めて2周年のタイミングで価格改定を行う。

というより、父はどういう計算で黒字化するつもりだったんだろうなと不可能しか感じない。

どんぶりを抱え込んでたんじゃないかと思うもんな。

回転率がほぼ0のため、それなりにお客さんきても黒字にならないのもあるし。

それなりに来客あって、トントンかちょい赤字くらい。

人件費や家賃やカラオケ代や酒代は出せるが、修繕費の積み立てすら出すことができない。

俺はメインが会社員なのでトントンでも店が無くなる事はないが、飲食店で食べている人って凄いなと思わされる。

多分、価格を上げて黒字になっても店単体で食うのは難しく、退職後の年金プラス店の営業とかならどうにか大丈夫だろうとは思うが。

まあ7月は周年のイベントで出費が多いので黒字にはならないだろうし、8月は暇だと言われているのでここも厳しいだろう。

なので9月から想定通りに黒字化できればいいかなと考えている。

それでも自分で店の営業を始めた時は、もっと塗炭の苦しみを味わうと思っていたので想定から比べると大分良い方だとは思うけれども。

まあ、俺にはラッキーしか起きないので、人やいろんなことに恵まれてやはりラッキーだったなと改めて思う。

そんなわけで2周年の7月1日に向けて店頭動画の差し替えやポスターの張替え、ショップカードやポイントカードの差し替え、ビールの入れ替え、2周年のフレンチシェフの仕込み等を手配しなければならない。

ということで本日の1食入魂は、店の裏方仕事があるんで自宅近くの洋食屋 フェリーチェ (Felice) にした。

どれにしようかとメニューを眺めていると、ポークソテーのガーリックじゃない和風ポークソテーがありますよと店主に声をかけられた。

ソテーという思いっきり洋食が和風だって?

出前館のCMのヒカキンのように「なんだって~?」と思った俺はそれを即注文

そして、サーモンのレモン焼きのレア感を含めて美味しかった記憶があり、次こそは白身魚のムニエルだなと思っていたので、和風ポークソテーと白身魚のムニエルの2品頼むという1日1食によるアグレッシブな選択

戦国時代の軍の陣形、鋒矢(ほうし)の陣を敷いているような感覚だ

鋒矢(ほうし)の陣とは「↑」の形に兵を配する強力な突破力を持つ陣形だ。

まさに強行突破

1食で2品頼んでしまう今の俺には相応しい。

敵陣を蹴散らして無人の野を行くが如し

誰にもこの進軍は止められない

そんなことを考えていると、和風ポークソテーという、日本と欧州のハーフ、2つの顔を持つ料理がやってきた。

勿論ライスは抜きで、当然野菜から食べ始める。

以前、ガーリックポークソテーの時と大分見た目が違うなと思いながらもナイフを当てる。

そして大根おろしとポン酢ベースのソースをかけて、フォークを口に運ぶ

すると・・・

即座に強いイメージが湧いてきた。

こいつは・・・

こいつは綱引きだな

こってりとあっさりの強烈な綱引き

濃厚かと思えば、あっさりであっさりかと思えば濃厚、口の中で強烈な紅組と白組の綱引きが行われている。

そういえば前友人が担当していた取引先で「月刊綱引き」とか言う雑誌を出している会社があったっけなと思い出しながらも、その力強い引っ張り合いは継続し、やがて過熱しデットヒートのようになる

あっさりが前に出れば濃厚さが追いかけて抜き返す。

競馬で言えば、ナリタブライアンとマヤノトップガンのレース阪神大章典か、ウォッカとダイワスカーレットのレース天皇賞秋あたりだろうか。

内からあっさりが抜け出す、その外から濃厚さが抜き返す

どっちだ、どっちだと言っているうちにゴール板が過ぎる。

不思議な感覚だが、これは美味しいんじゃないだろうか。

けれども、決着がどうついたのか分からず、フォークを口に運ぶたびに再度僅差の名レースが始まる。

うん、これももう一度食べたいと思うがその前にガーリックポークソテーをもう一度頼んで比較したい。

白身魚のムニエルの方は食べ応えがあり、ちゃんと魚だった。

これも美味しい。

レア好きとしてはレア感が残るサーモンの方が好みだが、ちゃんと美味しいのは間違いない。

今日もいい食事をとった。

そう言えるんじゃないだろうか。

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