再びになるけれども、まるで映画のハングオーバーのようだ。
Hangover（二日酔い）と言えば、アメリカのコメディ映画が人気だ。
そして、映画の始まりは主人公達がひどい二日酔いで目覚めるところから始まる。
飲みすぎて前日の記憶がないまま、ふとトイレに入ると何故かそこに「虎」がいるという状況
何が起きたかまったくもって意味不明
それと同じシチュエーションだった。
前日の記憶はしっかりしていたが、俺が朝起きて洗面所に入るとそこに何故か「赤鬼」がいた。
「えっ？」と思い、二度見してしまったが、まごうことなき「赤鬼」だった。
酷く酩酊したように真っ赤な顔、サザエさんの髪形をよりカールさせたような髪、そしてキラリと光る2本の角
金棒こそもっていなかったが、赤鬼は目を見開き驚いたような顔をしていた。
鬼にも色があり、「赤鬼」の「赤」が表すのは、「貪欲（とんよく）」という煩悩だそうだ。
「貪欲」は、欲が深くて飽くことを知らないことを指すという。
青鬼の青は怒りや憎悪と言った負の感情を示すのだという。
そんな貪欲の象徴である赤鬼がいたのだ。
満たされない鬼とでもいうのであろうか。
満たされない鬼と言えば「餓鬼」を思い出す。
いくら食べても満たされないと思っていたが、よくよく検索してみると、手に取った食物や水が火に変わってしまい、口にできないそうだ。
そんな欲望の化身「赤鬼」が洗面所にいるのだ。
一瞬フリーズした後、ばっと振り返るとそこには何もない。
映っている赤鬼は鏡の中にいた
俺じゃないか・・・
赤鬼はまたもや俺だった。
そう、満たされないのだ。
いくら満たそうとしても。
まるで餓鬼や赤鬼のように。
何のことか？
それは・・・・
俺のカレー欲だった。
ここ最近、ずっと美味いカレーを食べたいと探し彷徨っていた。
ところが、行くたびに返り討ち
4連敗中だった。
前回の新橋のカレーもそうだが、その後の戸塚のカレーのボンベイもそうだった。
自分好みのカレーじゃない
そしてそのカレー欲が満たされなければ満たされないほど、より渇望するのが人の心理であり、俺は美味いカレーだと満足するまで理想のカレーを求める覚悟を決めたのだ。
しかし、「そうはさせじ」と俺のカレー欲を満たそうとする野望を阻止しようとしている何者かがいるとしか思えない状況なのだ。
先日の事だった。
諸々仕事を終えて夕方にようやく昼食を取ろうと思ったとき、カレー欲を満たそうと関内あたりでカレーの店を探していた。
見た目で選んだところ伊勢佐木町の「カレーハウスキッチンY」というカレー屋さんが美味しそうだったのだ。
こいつだ
自宅方面でもあることもあり、俺は迷わず向かった。
ところが、地価の高い立地的にも夜まで営業していると思っていたら１１時から１６時までしかやっていないらしい。
時計を見たら、１８時過ぎていた・・・・
なかなか強気じゃないか
さぞかし自信があるのだろうな
しかし、その自慢のカレーを口にできず、どうしてもカレーを食べたかった俺は周囲をうろうろしたが、カレーチャーハン推しのラーメン屋しかなかった。
仕方がないのでそこでカレーチャーハン
うん、不味くはないし、美味しいんだけど、カレーを食べたい欲はやはり満たされなかった。
なので翌日もカレーを探した。
茅ケ崎の方で仕事だったので、七里ヶ浜に寄りカレーのサンゴ礁を食べるつもりだった。
ここなら大丈夫
確信をもって向かうと・・・・
まさかの定休日
週５しか営業していないとはなかなか強気・・・
仕方がなく海岸通りの姉妹店に向かったら・・・・
ラストオーダーが１４時半で、とっくに過ぎていてこれまた返り討ち・・・・
仕方がないので鎌倉全体で検索して、ウーフカリーという評判のお店でカレーを食べた。
価格は２０００円近いので、こちらのお店もなかなかの強気。
お味の方も当然悪くはないんだけれども・・・
なんか違う・・・
これも俺のカレー欲を満たすことはできないのだ。
やはりサンゴ礁カレーか神保町のボンディでないと駄目なのかもしれない。
そして今日・・・・
三日連続カレーに挑戦した。
向かったのは会社近くの半蔵門駅
プティフアラカンパーニュというとても呼びづらい欧風カレー専門店。
こちらも後味は変わるタイプで、最初甘くて後から辛さが追いかけてくるカレーだ。
インディアンカレーと同じだが、個人的には丸の内のインディアンカレーの方が好みだった。
段々と好みに近づいてはいるものの・・・・
それでもまだ違ったのだ。
こうなったらサンゴ礁カレーのレトルトをイオンで買うしかないかと思えてくる・・・
カレーを食べても食べても満たされない。
まるで餓鬼や貪欲の象徴「赤鬼」だなと思えてしまったのだ。
もっとカレーを
ゲーテ最後の言葉みたいになってしまう。
俺の求めるカレーはまだ遠い
北斗の拳のこれまたアミバみたいになるよな・・
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