こんにちわ。
地下鉄吉野町駅近くのカラオケスナック「ミュージックパブキャビーヌ」店長の中島です。
扉を出ると、俺はさっと腕時計を覗き込んだ
時刻は想定時刻をとっくに過ぎていた。
気温の所為だけではない汗が額に浮かぶ
脳内では楽々精算のテレビCMでせいきゅうしょ、せいきゅうしょ、間に合わないと連呼している横澤夏子が般若の形相になっている映像が流れていた。
現実の方でも視界が歪み、サルバドールダリの絵画のようにグニャグニャに歪んだ時計が干された布団のように信号機にかかっているように見えた気がした。
「間に合うか?」
「いや、厳しい」
即座に自問自答する
なかなか変わる気配を見せない横断歩道の信号機に焦りを感じながら、タクシーアプリのCMに出演している竹野内豊に、CMどおり「さあどうする?」と問い詰められた気がした。
行こうとしてんだから当然「GOする」だろと自らの妄想にツッコミながらも駄目なら仕方がない、けれども可能なら間に合わせたいと思っていた
横断歩道を渡ると、狙いすましたかのように横一列で談笑しながら歩行する学生の集団が行く手を阻む
専属のドローンのような小型の追尾型監視カメラでも俺にはついているんじゃないだろうか?
そう思う事がある。
有給休暇を取っているときのいつもを大きく超える頻度でかかってくる仕事の電話、女の子と飲んでいるときに限って普段絶対にかかってこない奴からかかってくる電話、急いでいるときを察したのように蛇行しながら牛歩で前を阻む杖をついた老人やGメン歩き(狭い道を横一列になって塞ぐように歩く集団)をする集団
ラッキーしか起きない俺を世界が嫉妬している
もしくは何かのアンラッキーを回避させてくれている
そう思う事にしているが、なるべくなら思い通りの行動をし目的を果たしたかった。
ロミオとジュリエットではないが、障害があればあるほどよりどうにかしたくなる。
この集団の進路妨害をどう潜り抜けるか。
何もしなければこの亀の歩みを歩道の終わりまで付き合わなくてはならない。
何かいい方法はないか?
脳内でアニメの一休さんがトンチをきかせるときのようにポク、ポク、ポク、チーンと効果音が流れる。
そうだ、時代には時代に沿ったやり方がある。
ここでどう思われようとそれは大事の前の小事だ。
俺はこの道をどうしても急いで進まねばならぬのだ。
そう思うと、俺は大きく息を吸い込んだ。
ゲームドラゴンクエストであれば1回だけ攻撃力が2倍になる特技だ。
そして
思いっきり空咳をして、あたかも背後から感染者が近づいているかもしれぬという情報を放った。(※さすがにフィクションです)
その瞬間、さっと人の壁が左右に割れる
まるで海を左右二つに割ったモーゼのようだった。
そうだ、その瞬間俺は現代版モーゼになった。
人の海を左右に割ったのだ。
こんなの漫画「東京リベンジャーズ」くらいでしか見ない光景だ。
そして駅へと急ぐと改札に向かう階段を駆け上がる。
丁度電車の扉が開く音がした。
迷わず身体を滑り込ませる。
エジプト軍から逃げるため海を二つに割ったモーゼが「約束の地カナン」へ向かうかの如く、人の海を二つに割った俺は「目的の地ノゲ」へと向かった。
そして目的の駅に着くと、もはや競歩選手だった。
走ったほうがまだマシなんじゃないかと思える不自然な歩速で俺は目的地に向かう
息を切らせながら、時計を見るとぎりぎり時計は1分前を指していた。
そうランチラストオーダーの。
間に合った。
今日はどうしてもリピートしようと思っていた日ノ出町駅近く、WINS横浜の隣のビルのB1F「リンクステーキ」でランチがしたくなった。
でどうにかラストオーダー1分前に現地に到着
そしてLINKステーキ300gとハンバーグの200gを注文
今晩も夕飯は抜きだな。
でもってなんでここリピートしようと思ったのか思いだした。
ここのステーキ300gで1500円とかなりリーズナブルなんだけれども、店側の提示する価格に釣り合っているとは思えないほど肉が柔らかくて美味い。
もちろん最高級黒毛和牛とかを使っているわけではないので、この価格で最高レベルを求めるのは吉野家で店員に椅子を引いてくれと頼むような物。
なんだけど、このボリュームでこのお味でこの価格はかなりハイレベル。
ハンバーグの方も十分すぎるお味とボリュームと価格
ここでなら接客も悪くないし、ステーキ飲みしたいと思えるものな。
なので今日も大満足のランチを摂ることができた。
最善は尽くしたと言えるのではないだろうか。
でもって今日のネタ。
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