こんにちわ。
地下鉄吉野町駅近くのカラオケスナック「ミュージックパブキャビーヌ」店長の中島です。
想像以上の力強い反発力に俺は驚かされていた。
咬合力が試されている
そう思うと同時に、「老人と海」という小説のタイトルが頭に浮かんだ。
「老人と海」は中学生時代の国語の教科書に載っていたヘミングウェイの名著と言われている作品だ。
あらすじはこういったものだ。
キューバのハバナに暮らす老漁師サンチャゴは、84日間一匹も魚が獲れない日々が続いていた。老人を慕う少年マノーリンは老人とともに漁に出ていたが、両親の言いつけにより心ならずも別の舟に乗るようになっていた。
ある日、早朝に少年マノーリンに見送られて船を出した老人は大物を仕掛けにかけることに成功する。
3か月以上魚を獲る事の出来なかった老人は大物の手応えを前に、是が非でも釣り上げる必要があった。
しかし、タフな大魚と老人は三日間船上で格闘することになり、疲労で気を失いそうになる3日目、ついに老人は銛で大カジキを仕留めることに成功する。
意気揚々と帰路に就こうとした老人だったが、銛で突かれた大カジキの血の匂いにつられて、サメたちが次々と老人の船に襲い掛かる。
老人は必死にサメを追い払おうとするが、仕留めた大魚のほとんどをサメに食いちぎられてしまう。
どうにか港にたどり着いた老人は小屋のベッドに倒れ込み、深い眠りにつく。
翌朝、少年マノーリンが老人の小屋に行くと、老人は眠りこけており、老人の両手の傷を見て、老人と大魚の格闘の凄まじさと掴みかけていた大魚を失った事を悟って少年は泣き出す。
港では漁師たちが老人の小舟のまわりに集まって、骨ばかりになっていた記録的な大魚の長さを測っていた。
目を覚ました老人と少年はまた一緒に漁に行く約束をするという話だ。
もし、老人がまだ老人じゃなかったら?
もし、その時少年が老人と一緒の船に乗っていたら?
そういう「if」を考えずにはいられない、老人の願いが潰える残酷な現実を表した小説だ。
その老人の「老い」による「望む結果の否定」を連想させるほど、俺の顎にかかる負荷は強まっていた。
まだ、俺を老人と呼ぶにはちょいとばかし早い。
そんなこと思いながら、俺の牙を弾く弾力の若牛のステーキと格闘していた。
まるでレスリングだな
組み伏せようとする俺の顎と、弾き返そうとする反発力の強い牛肉
過去のレジェンド選手に引退を迫る若手の台頭と、熟練の技でまだまだ卵の殻を被ったカリメロには負けないとする大ベテランの試合
そんな構図だった
観客の声援は均等に分かれているかのように感じる。
名レースや名試合で見かける光景だ。
名試合といえばと俺の思考はまた別の連想を引き寄せる。
6月7日に井上尚弥VSノニト・ドネア6月19日に那須川天心と武尊との試合がある。
どちらも今の俺の脳内で行われている「肉との格闘試合」のように、声援は真っ二つに割れる名試合になるだろう。
そんな思考の寄り道を繰り返しながら、やがて俺の嚙む力、そう咬合力は若牛を屈させる事に成功した。
アメリカ産のステーキは食べ応えというか噛み応えがあって、なかなか噛みきれず、その分咀嚼回数が増えて満腹中枢が刺激される。
満足感と共に、固いステーキの方が量を食べる前にお腹がいっぱいになるので消化器官には健康的かもなと思わされる。
何気に固いレアステーキは嫌いじゃない。
レバ刺しなどの生肉の甘味とかが塩と胡椒の合間にやってくるとこれまたしみじみ美味いと思うのだ。
そう、本日は午前中に自宅付近の歯科医院で仕事だったため、ランチもちょっと足を伸ばしてステーキハウスにと行ってきた。
いつもの接客は毎回、眉を顰めることになるが味とコスパは最強レベルのステーキ屋チェロキーも考えたのだが、もしかしたらそこを超えるステーキ屋を見つけられるかもしれない。
まだ見ぬ「最も」を求めて旅を続ける冒険者のような心意気で俺はネット検索で見つけた井土ヶ谷のステーキハウス&バル リオというステーキハウスに挑戦することにした。
答えを1度で知りたかった俺は、ヤングステーキと肉食ハンバーグを注文。
そして、最初に手を付けたヤングステーキが、まさか冒頭の格闘試合の始まりになるとは露ほど思わなかった。
サラダは普通のサラダだがスープがスープカレーで牛スジを煮込んでの物でかなり美味しい。
グランドメニューを見てみたが、スープカレーはメニューになく、これスープカレーをランチで独立したメニューで出した方がいいんじゃないかと思うくらい美味かった。
で、肉食ハンバーグの方は完全につなぎなしハンバーグでベリーウェルダンと言ってもいい。
言い換えればファーストフードのハンバーガーのパティをやたら分厚くしたような感じ。
美味いは美味いが、レア好きにはちょっと好みが違う。
ハンバーガーをバンズ無し、具無しで食べている感じがした。
そしてステーキの方は顎との格闘になるステーキ
固めのステーキ好きには堪らないだろう。
好みの問題だとは思うが、コストも含めてチェロキーは凄いんだなと再認識した。
あの価格で、あのステーキの完成度を超えられる店を見つけるのは難しいのだとまた結果に突き付けられた。
まあそれでも、今日も良いランチをできたと思うのだ。
さて、この後急遽入った仕事こなしてきますかね。
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