やってやる、やってやんよ
窮鼠猫を噛むではないが、追い詰められた鼠が猫を噛むかのような心境だ。
昔で言えば反社会勢力のいわゆる鉄砲弾と呼ばれる若い衆が抗争中の相手の長を狙って突撃する直前の心境とでも言おうか。
刺客は大体は返り討ちにあってしまうので、一度出て行くと銃の弾のように戻ってくる事がないから鉄砲弾と呼ばれていた。
その決死の捨て身の特攻の直前
もしくは、もう死刑執行されてしまったが、秋葉原の無差別殺人でトラックで突っ込んだ2ちゃんねるで犯行予告をしていた犯人が秋葉原の歩行者天国に突っ込む直前
そんな時に思うのが、冒頭の台詞なんじゃないだろうか。
漫画とかでもよくあるのが、分に合わないキャラクターが、その周囲の小物と言う評価に反発し、責任の取れないだいそれた取り返しのつかない事件をしでかしてしまう直前に言う台詞の代表格だ。
やってやる!やってやんよ!
俺は再び呟くと、駅構内のコンビニの商品棚に置かれたビールとポテチとチョコに手を出した。
この日は前の職場の人と温泉麻雀旅行のため超絶チートDAY
熱海の伊藤園系ホテルで麻雀温泉飲み放題バイキング旅行なのでチートDAYと決めていた。
この1日で、過去何日分の努力が水泡となるのかは分からないし、分かりたくもないけど、中途半端よりは、自由にすると決めたならとことん好き勝手にやった方が良い
下手に緩めるくらいなら最初からチートDAYなんかやらない方が良い
一瞬、一青窈の「ハナミズキ」の歌詞が脳裏を過ぎる
♪僕の我慢がいつか実を結び♪か。
いやいやと頭(かぶり)を振ってからの冒頭の台詞だ。
今日は遠慮はいらない、やるんだと言いながらむしろ無理をして詰め込んでいるんじゃないかとか疑問が浮かんだりもするが、朝から東海道線を居酒屋列車にして、グリーン車の方が普通車よりも混んでいると言う洗練を受けながらも、潤いとアルコール消毒が必要な喉にビールを流し込んでいた
ずっと我慢していたビールとポテチとチョコは長期的な抑圧と言う名の調味料が俺の味覚をより刺激し、なまら美味かった
よく知りもしない北海道の方言がでちゃうくらいだ。
朝からずっと食べたかった明太パスタも食べ、横浜駅のドトールでレタスドックを追加し、サッポロクラシックを一本空けて、チップスターを独占し、たけのこの里を摘んでいた
完全にやりたい放題の無法者となっていた
おかげで血糖値が急上昇し、眠気が襲ってたんだよな
朝からこんなスタートダッシュ決めたらとても夜までもたないと思わされたし。
終電が熱海だし、眠くなったら寝てしまおう
そんな事を思いながらもスマホゲームをするのも違うなと、ビール片手にダラダラと文字を打っていた
あと一口飲んだら眠気に身を任せようと思いながらも、もうあと一口の泣きの一回がずっと続いていく
この日は久しぶりの休みらしい休みだったなあ
もう少しだけ、車窓の流れる景色を眺めながらビール飲んでいようと思わされる
そして、1時間もないけど、終点に着くまで微睡みたいと満喫していた
居酒屋電車ってなんだろう、高揚感があるよね。
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