カウントダウンが迫っていた
そう、チートデイのだ。
♪もういくつ寝るとお正月♪
頭に流れているのは歌の「お正月」だが、俺が待っているのはチートデイの訪れだった。
是が非でも痩せてやろうと豆腐と納豆とチーズ食を繰り返しているが、痩せはするが飽きがひどい。
なんとか他に食べられるものがないかとコンビニを物色していると、もう一つ選択肢が増やせることに気づいた。
そうナッツだ。
しかもアーモンド
コンビニで売ってる素揚げの食塩を使用していないアーモンドは脂質は高くカロリーも高いが、噛み応えがあり咀嚼回数による満腹中枢への刺激にもなる。
そして1袋で4.4gの糖質
豆腐1丁とそう変わらない。
しかも味覚は甘いときている
食物繊維も多いし、悪玉コレステロールを下げてくれる成分も入っているらしい。
カロリーは500キロカロリーくらいあるが、一応成人男性なので一日2000キロカロリーに行かなければ大丈夫
やってみると、チーズと豆腐と納豆に飽きていたのだろう。
素揚げのアーモンドがやたら甘くて美味しい。
スモークチーズ一袋とアーモンド一袋食べても、800キロカロリーくらいにしては満腹感があり、こりゃいいと思わされる。
ビタミン類は海外サプリで摂取しているし、こないだ聞いたアケビの濃縮エキスのサプリが欲しいんだが、高いんだよな。
しかも日本製だと容量が薬事法で決められていて、あまり効く気がしないのだ。
もう少し、選択肢が欲しいのでやはり「ゆで卵」と「マヨネーズ」も加味しようか。
確か、マヨネーズは糖質0gだったはず。
カロリーは高いが、ゆで卵、アーモンド、チーズ、納豆、豆腐がメイン食になるだろうか。
ただ、これだけでもやはり飽きが来ると思うのだ。
他にはこんにゃくを美味しく食べる方法とか、ブロッコリーマヨネーズとかあたりかな。
後はやはり鯖だろうか。
缶詰でも糖質が5g未満のものまではOKとしようかと思っている。
こないだステーキ食べたせいかその翌日は体重が横ばいだったし。
代謝が落ちているのかカロリーを取ると糖質カットしても落ちないんだよな。
こんなんだったら運動したほうが苦痛は少ないのかもしれない。
ただ、酒に爛れた重い身体を引きずるのもな・・・
少なくとも食事だけでもう少しは落とさないと。
さて、最近よく感じるけれども、日本人は進化よりも退化しているんじゃないかと思うのだ。
元々ブログだのユーチューブなどでバッシング慣れしているのであまり恐れるものはないのだけれども
熊の駆除に抗議が殺到しているというニュースを最近見かける。
正直、それを見るたびに日本人の想像力の欠如というか、当事者意識の希薄化、もしくは勝手な自己正当化が進んでいるなと思うのだ。
そもそも人が死んだりしているんですぜ?
命に貴賤は無いという言い方もできるかもしれないが、蚊を殺したことがないわけでも、気づかずに蟻を踏み潰したことがないわけでも、Gに殺虫剤を撒いたことがないわけでもないと思うのだ。
当事者として野生の熊に家族を討ち取られていて、再発するかもしれないおそれがあれば駆除はやむを得ないと思わないのだろうか。
熊の命>人命
にいつからなったんだろうか。
そもそもあちらは自然の中で生きている真剣勝負
命のやりとりの食物連鎖の世界で生きているわけだ。
そこには日本人であることの優位性と言うか傲慢さというか、地方の一人暮らしの高齢者の方が弱者にも関わらず、熊を弱者と考えているような驕りが存在している気がするのだ。
どう考えても危険生物なんだから人里に侵略してきた命がけの侵略戦争なんだから、駆除しなきゃ駄目だろ。
当事者になったことがないから、きっと目先の自分が「優しい人間」である証明が欲しくて、熊を殺すなと言う抗議活動をする。
そこには自分は安全で無関係だという、結果に対して無責任でいることのできる完璧な鎧が存在している。
目の前で自らが熊の爪攻撃を受けて、入院したらむしろ駆除賛成派になるだろうに。
ネットの誹謗中傷と同じで、自分が遠い安全な場所にいるからこそ為せる業だなと。
ガザ地区の戦争を可哀想だと叫んで何もしないのとまったく一緒だ。
それを言うことで自分が善人であると思える自己満足と、そう思ってもらいたい承認欲求を満たせる可能性があるからそうする。
でも実際に何か行動を起こすかと言われればそういうわけじゃない。
偽善の極みだと思うんだよな。
だから、熊の駆除に抗議する人種を俺は否定的に見てしまう。
正義の御旗があれば、それを盾にあたりかまわずストレス発散で人を殴る人ですよね?と。
自分は正しいんだから人を殴っても構わないという理屈だ。
大義名分さえあれば何をしてもいいという考え方には賛同できないし、いつから自分の正義の御旗の下で人を裁けるようなお偉いお方になったり、権限をもつようになったんだ?と聞きたくなる。
当事者になって熊と戦ってからなら分からなくはないが、偽善を正義の御旗にして無責任で好き勝手言う人間が増加していくこの日本の世界は、異常気象のような異常人種が増えている気がしてしまうのは俺だけだろうか。
ちょっと前の足湯で全身浸かって炎上したニュースに対しても思ったが、本人が勝手に、他の人が足を入れる俺には清潔感をまったく感じない足湯に全身浸かっただけなのだから、自己責任でありどうでもよくないかと思ったんだよな。
地を踏みしめて、靴で蒸れる足より手の方が不潔だとか、足より上半身の方が不潔極まりないとでも言うつもりなんだろうか。
何の宗教だよと突っ込みたくなる。
あれが炎上するんだから何かがイカれていると思えてしまう。
むしろ、多数の人の足が浸かったお湯でよく全身で浸かろうと思うねとは思うけれども。
さて、そんな事を考えながらも、疲弊が蓄積しすぎて、先日いつもどおり、芹が谷の極楽湯に行ってきた。
その帰りの事だ。
まさか、予期せぬ不毛な戦いに巻き込まれる事になるとは思いもしなかった。
芹が谷の極楽湯にはスーパージェットバスと電気風呂と甕湯があるため、スーパージェットバスで体をほぐし、甕湯で寝ると質の高い睡眠を取れるので、かなり元気になる
なので、自宅前のバス停から国道平戸のバス停まで30分かけて行くようにしている
その帰りの事だ。
俺は吉野町駅前のバス停で降りるつもりだった。
前里町を超えて、次は吉野町駅前と言う時のこと。
満席だったバスの「次止まります」ボタン
流石に駅前は誰かしら降りるだろうから、俺が「次降りますボタン」を押す必要はないと考えていた。
子供のころは、誰よりも先に「降りますボタン」を押したかったのに、今じゃ誰か押してくれないかなとか思うようになってしまった。
簡単な言葉で言えば大人になったと言うことなんだけど、そんな小さな事でも自分がやりたいとか探究心のようなものが損なわれてきたのかもしれない。
ところがだ。
満車のバスで、吉野町駅前で降りる人がいないのだろうか。
誰も「次降ります」ボタンを押さない。
いや、俺と同じで皆が皆誰か押してくれないかと思っていてサウナの我慢大会みたいになっているのではないか。
これだけ人が乗っていて駅前をスルーなんてあり得るだろうか?
乗車客もいるだろうし、絶対に停車はするはずだ。
ただ、「降りますボタン」を押さないと、乗客がいたとしても、もしかしたら降車口の扉の方は開かないかもしれない。
そのリスクを抱えてでも、「降りますボタン」を押したくないというのだろうか。
これはチキンレースなんじゃないか?
吉野町駅前で降りれなかったらどうしようと怯えるチキンハートは誰かを決める「降りますボタン」我慢競争
最初に「降りますボタン」を押した奴が乗客の中で1番チキン野郎になる
こいつはとんでもないことになった
予期せぬ勇気を試される勝負に巻き込まれてしまったのだ。
待て、冷静になれ。
俺はそこで降りたいのだから、押せば良いじゃないか。
けれども、何もしたくなくて待っている誰かに勝ったと思われて、あいつがチキンちゃんだと後ろ指を指され、腹で笑われるのも耐えがたい屈辱だ。
俺はチキンなんかじゃない
その証明をしなきゃならない
が、押されないボタン
どんどん目的のバス停が近づいてくる
そろそろ押さないと、乗客がいなければ運転手さんも急ブレーキを踏まなきゃならないかもしれない
にもかかわらず、誰も押さない「降りますボタン」
誰かいい加減、ボタンを押せよ
チキンレースなら間に合わず車ごと海に落ちてしまうぞ
それでも、押されることのない「降りますボタン」
おいおい、どうなっても知らねえぞ
俺は本来降りるバス停の次のバス停での降車まで覚悟した。
それでもまだ「降りますボタン」は押されない
くっ
分かった、分かったよ、俺の負けだ。
そんな誰も得しない勝負から俺は降りるよ。
俺は屈辱に震える指でギリギリで「降りますボタン」を押そうとした
が直前で止まる指
俺は決してチキン野郎なんかじゃない
そう心の声が叫んだ
が、それでもまだ誰も押さない
いよいよバスは鎌倉街道の吉野町の交差点を左折し吉野町のバス停が見えてきた。
幸い俺の視界に乗車客の姿が目に入った。
しめた、どうやってもバスは止まる。
それでも誰も「降りますボタン」は押さなかった。
もしかしたら乗客がいれば降車扉も勝手に開くのかもしれない。
けれども、万が一は存在する。
俺は迷った。
けれども、このチキンレースの勝者に何が与えられると言うのだろう。
勝手な自己満足だけだ。
感情じゃない、合理的に考えるんだ。
俺は、バスが減速をし始めた頃を見計らって、泣く泣く降車ボタンを押した。
ピンポンと軽快な音がなり、コンピュータの合成音声のような声が「次止まります」と誰もが分かり切っている事を告げた。
お前の勝ちだよ
俺は呟くと開かれた降車口から降りた。
そして後を振り返り、俺にチキンレースで勝った者の姿を一目見ようと歩きながら眺めていた。
ところが、俺の後に続く者は誰もいなかった。
・・・
一体俺は何と戦っていたのだろう。
満車のバスで吉野町駅前では絶対に誰か降りるはずだと言う俺の思い込みとだろうか。
これが次のバス停まで行ってしまっていたら、事実を知らずに一人勝った気になって、バス停一つ分多く歩くとんだ間抜け野郎になっていた可能性も否定できない。
「百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり」
孫子の兵法書の戦わずして勝つが上策とのフレーズが思い浮かぶ
そもそも勝負の舞台に上がってはならないのかもしれない。
そんなことがあった翌日
待ちに待っていたカウントダウンの数字はついに0を指し示していた。
そう、ついにチートデイがやってきた
「食うぞ~」とワンピースのルフィみたいになっている。
体重計はぴったり70kgを指し示していた。
前回の強制チートデイの翌日は72.5kg
そこから1週間で2.5kg減しての当日。
正直60kg台で臨みたかったが、致し方ない。
もう俺の代謝は落ちてしまっている。
ひとまず、今週末の天皇賞秋の競馬イベントでフレンチのシェフに海老ピラフをお願いした。
ちょっと前に、そういえば子供の頃に食べたエビピラフって美味かったなと思い、横浜でエビピラフの店を探していたんだが、ないんだよな。
チキンライスを出す洋食店や冷凍ピラフを出していそうな純喫茶といったものは見つかるんだが、ちゃんとした洋食屋でエビピラフを出している店が検索してもほとんど見つからないのだ。
それもあってないならシェフに作ってもらえばいいと思ったんだけれども、その前にそもそも美味しいエビピラフを知らなければシェフのピラフが分からない。
だからチートデイのこの日
1食はエビピラフに決めていた。
しかし、エビピラフだけでは当然まだまだ足りないとなる。
そのため、最初はカレーだと思い、検索して美味そうだった「横濱KAN」という店のオマール海老のホワイトカレーを食べ行った。
久しぶりの炭水化物はそれは美味で普通に泣けるくらいに美味い。
だが、カレーのルーが少なすぎて最後は米だけで食べるハメになった。
もう少しルーが欲しいよなぁ
カレーに入っている揚げたてのオマール海老のシュリンプとかも美味しかったけれども、直後のエビピラフがあるからなとさっとかき込んだ。
しかし、やはりサンゴ礁カレーや神保町のボンディのカレーと並ぶカレーはやはり難しいのだよな。
美味しいは美味しいんだけれども、俺が探しているのはお前じゃないという感じなのだ。
勿論、カレーも路線が色々あり、丸の内のインディアンカレーとチェーン店の日の屋カレーも同一傾向で美味しいカレーだ。
でもやはり一番好きなのがサンゴ礁カレーとボンディのカレーなんだよな。
その系統を求めてしまう。
そして店を出ると俺はすぐに本命のエビピラフの店にと向かった。
場所はテレビでもよく出ているらしい、山下公園の目の前のホテルニューグランドにあるザカフェ
「ドリア」「ナポリタン」「プリンアラモード」の三品が日本発祥の店らしいのだ。
ただ、価格が1食3000円からスタート
エビピラフも3000円となかなか強気なスタイルだが、経験に金を惜しむのは正しいとは言えないと、カレーの倍以上払ってエビピラフで連闘する予定だった。
時刻は14時
日曜日とは言え、1人1食3000円するレストランだ。
ランチタイムも過ぎているし、すぐに入れるだろう。
そんな事を考えていて、店員さんにエビピラフがあるかを聞くと「ご用意があります」とのこと。
「ではお願いします」と言ったら、22組待ちで時間1時間半ですと言われた。
・・・
不景気だとか、物価高とか嘘じゃない?
ランチで1品3000円のカフェが14時で22組待ちですってよ。
二人で行ったら、カフェなのにランチでドリンクまで頼んだら1万円ですぜ?
それを90分待ちはないなと思い、近くにある取引先の歯科医院に仕事で行ったタイミングの平日に行こうと決めて、もう一店の候補へタクシー移動
ランチタイムが14時半ラストオーダーなので30分以内に移動するにはタクシーしかなかった。
美味そうなエビピラフを食べるってこんなに難しいのね。
向かったのは元町にあるJH Cafe 元町BARというところ。
映画のセットのようなインテリアが有名な店らしい。
着いてみて驚いたのが個人的最強の鰻店「濱新」のとなりだったのだ。
ここねえと思いながらギリギリの時間に駆け込んだ。
そしてエビピラフを頼むと、店員さんがいろいろお得なセットを教えてくれる。
オムライスにしてハンバーグまで付けちゃうことができそうだ。
じゃあそれでとお願いした。
チキンライスではなく、エビピラフのオムライス。
いいじゃない、珍しくてそそる。
で、出てきたオムライスの中を割ると確かにエビピラフ
ハンバーグやらケチャップやらを先に付けてしまうと主張が強すぎてエビピラフの味が殺されてしまうと思い、まずはエビピラフをそのまま食べた。
ホワイトカレーの後味が残っているためか、優しい味というのは分かるんだが、細かい味がよく分からなかった。
でも多分美味しい感じはする。
そのままハンバーグに手を出したらこれが大誤算だった。
やはり、ケチャップもデミグラスソースも主張が強すぎてエビピラフの存在を完全にかき消してしまった。
オムライスはチキンライスの方が合うのかもしれないとか思わされながら、ピラフは頼むならそのまま単品で食べなきゃ駄目だなと気づかされた。
もう一度、今度はエビピラフ単品かチキンライスのオムライスをトライしたいと思わされた。
そして「まだまだチートデイは続くぞ~」と意気込んだ。
「銀だこ」に行って、濃厚なソース焼きそば食べて、照りマヨのタコ焼きつまみながらビール飲んでやろうかとか思っていた。
しかし、1週間のダイエット生活は俺の胃を縮小させ、いきなりの2食はやりすぎだったのだ。
もう何もいらない
そして訪れる強烈な眠気
たくさんちゃんと寝たはずなのに、目が回るほどの眠気で立っていられない。
酒も飲んでいないのに急に炭水化物で満腹にするとこうなるのね・・・
ガムとか噛んでもまるで通じそうにない、それこそ魔法をかけられたようなふらつくほどの眠気と脳がフリーズしているのを感じる。
短時間でも横にならなければこりゃ無理だなと思わされる。
俺はいつもの個人マッサージの方に連絡いれるも最短で20時からとか言われてしまった。
いやいや、そんなに待てないほど眠い。
仕方がなく、最近施術する人の腕が落ちてあまり効かないので足が遠のいたタイ式マッサージへ
うん、やはり前のセラピストの方が上手かったんだよな。
眠気はどうにかなったが、痛いだけで効かないし、店主に「久しぶりね、最近暇で困っている」と言われた。
そりゃそうだろうな、マッサージの質が下がっているのだもの。
効果を感じなければそりゃ客足も遠のく。
多少持ち直したのでそのまま飲みに。
チートデイの最後の締めはやはりラーメンだよなと決めていた。
行くのは前回べろんべろんになりながらも美味いと感じた2023年10月10日にオープンした味噌ラーメンの店「The味噌」
酔っ払っていたから美味かったのか、今回みたいにほろ酔いでも美味いのかを確かめるためだった。
北海道ラーメンの味噌を注文。
バターとかトッピングするとすぐに1500円になるので価格は強気の設定。
だが、やはり最近食べた味噌ラーメンの中では一番美味いかもしれない。
後味は変わるレベルではないのだが、味噌のスープがコクがあるというか、複雑な味わいがあるんだよな。
「楓」とか吉野町にできたばかりの「西山ラーメンの味噌ラーメン」とは一線を画している気が個人的にはしている。
スミレとか北海道の有名な味噌ラーメン系列もカップラーメンと差を感じないが、この味噌ラーメンはちょっと違う気がするんだよな。
次は冒険で、信州味噌ラーメンと小田原味噌ラーメンにも挑戦してみたいと思わされる。
とやりたい放題やってきたわけだが、まだ怖くて体重計に乗れていない。
明朝体重計の数字はどの数字を指し示すだろうか・・・・
恐怖は先送りに限るかもしれない
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